「直接会う」ことの重要性
何も目新しい話ではないが、人と「直接会う」ことの大切さを感じた出来事があったので、記しておきたい。
1カ月前、新しいサークルに加入した。
そこで、既存のメンバーの一人がサポート役として、毎週1回、活動内容の進捗確認や疑問点の解消をする場を設けてくれることとなった。
とてもありがたく、円滑な組織を運営することへの意識の高さも見られ感心した。
実際、サークルのLINEに送られてくる様々な連絡の内容について、わからないことも多く、個別で質問できる環境があることで非常に助かっている。
ただ、一つ心に引っかかったのが、その場が「電話会議」だったということだ。
お互いに平日は忙しいということで、土日に会議をしようということになったのだが、では場所はどうするとなった時に、「電話会議」を提案された。
相手と私の自宅の距離は電車で30分程度であったし、中間地点か、双方からアクセスのよい大学で会議をしてもらえるものだと思っていたので、少し拍子抜けした。
確かに、1時間という短い会議なので、相手にとっては、わざわざ自宅から足を運ぶのは面倒であったかもしれない。私も、個別で相談する機会を設けてもらえただけに、それ以上の要求をする気もなかった。しかし、「サポートはするけど、余計な時間は割かず効率的に行いたい」という姿勢に少しがっかりしてしまった。
相手と直接顔を合わせたのはまだ1回だけで、既に気心の知れている仲で電話会議ならまだしも、「サークルの他のメンバーと仲良くなるためにも、仕事外での接触を積極的に増やしてほしい」と私に言うわりに、自分はそれを実践しようとしてないではないか…、と思う部分があった。重要な役職に就き、組織運営に必死で毎日忙しく駆け回る相手の姿を想像して、「自分は、組織の歯車の一部としての存在としてしか見られていないのかもなあ」と感じた。
人と信頼関係を構築するなら、メールより電話、電話より直接会うことが大事だとよく聞くが、本当にその通りだと思う。
人はただ、会話をすれば仲良くなれるというものではない。
直接会って、相手の表情・間の取り方・しぐさや声のトーンを互いに感じ取りながら、用件以外の雑談も交えることで、「相手が何を考えているか」「何を感じているか」がだんだんとわかり、信頼関係が築けてくる。
いわば「無駄な時間」を共に多く過ごすことが重要なのだ。忙しい中で自分に「時間」を割いてくれている、と感じるとき、人は相手に対し感謝の気持ちが芽生え、好感をもつのではないか。
インターネットが発達し、メールや電話で気軽にコミュニケーションが取れるようになった現代だからこそ、「直接会う」ことを面倒くさがらず、人と信頼関係を構築していく姿勢を忘れずにいたい。